2013年4月12日金曜日

高野小水力が運転開始 維持流量利用2件目/中国電力

・-----電気新聞、2013/04/11

------小水力発電ニュース------
 中国電力は10日、河川維持流量を利用した高野発電所(広島県庄原市、140キロワット)の営業運転を開始したと発表した。神之瀬(かんのせ)発電所(広島県三次市、2万キロワット)の高暮(こうぼ)ダム直下に設置。年間発電量は一般家庭300世帯分の使用量に相当する約100万キロワット時を見込む。二酸化炭素(CO2)削減量は年間で約700トン。河川維持流量を利用した発電所は同社では2カ所目で、湯原えん堤発電所(岡山県真庭市、360キロワット)以来約60年ぶりとなる。
 高野発電所はダム式の小水力で、有効落差は49・1メートル、最大使用水量は毎秒0・53立方メートル。同社で初めて「ポンプ逆転水車」を採用した。従来採用していた特注の水車に代わり汎用品のポンプを利用。汎用品のポンプに水を流し、ポンプ内の水車を逆方向に回転させることで発電を行う仕組み。建設コストの低減を図ることができ、総工事費は約2億円となった。
 高野発電所は2011年3月に地元へ建設の申し入れを行い、12年4月に建設工事を開始。12年12月の営業運転開始を見込んでいた。
 だが、機器性能の確認試験を行っていた際に発電機軸受け部の損傷が見つかり、復旧作業を実施したため運開時期を変更。13年度電力供給計画で運開時期を今月としていた。

電気新聞紙面より転載