2011年8月13日土曜日

【社説】山里の再生に普及期待/南日本新聞

-----南日本新聞、2011/08/12

------小水力発電ニュース------

 東京電力福島第1原発事故で注目を集める再生可能エネルギーの一つ、小水力発電への期待が高まっている。山里の小川や用水路を使って実用化する社会実験に、鹿児島大学と企業の研究チームが取り組んでいる。
 将来、中山間地を地域分散型電力の生産基地として活性化させるのが目標で、実際に導入するための手順をマニュアル化する計画だ。脱原発の流れを、人口流出で疲弊する中山間地の再生につなげようという試みである。実験の成功を期待したい。
実験は鹿児島市の郡山、下田両町の計3カ所で行う。各所の状況によって形態は異なるが、集落を流れる水路に発電機を設置して数世帯分の電気を賄ったり、公民館や街灯に使ったりするほか、売電もする。
水の流れを利用して発電機を動かす水力発電は、資源を消費せず、廃棄物も出さないクリーンエネルギーである。産業用の電力需要が伸びたことで大容量の火 力や原子力に主役の座を譲ったが、もともとは主要電源だった。中央集積と効率を重視した近代化の過程で、人口が流出し取り残された中山間地と同じように、 その相対的地位を落としていた。
今回の実験で使われる小水力発電で注目されるのは、環境破壊を伴うダム式ではなく、水の流れ込みを利用する方法をとることだ。
研究チームは、中山間地には設置に適した場所はいくらでもあり、そこで生まれた電気で暮らしを賄えるなら、移り住む人が増えると予想する。実現すれば、限界集落などと呼ばれ、次々に学校が閉じられる中山間地に明るい展望が開けよう。

つづき
http://373news.com/_column/syasetu.php?ym=201108&storyid=34319