小規模水力発電普及へ道が支援-クリーンエネルギー拡大・-----北海道建設新聞、3/23
道は2010年度、農業用ダムや砂防堰堤などの落差を利用した小規模水力発電の普及に乗り出す。事業の参入を検討する市町村や企業に対し、企画立案から事業計画の策定、技術指導などの支援を進める方針で、クリーンな地域エネルギーとして新たに水力発電の普及を図る考えだ。
支援は道営電気事業として水力発電所8カ所を運営する道企業局が行う。すでに北斗市、新ひだか町、新得町が興味を示しているという。
同局では05年度から風力発電やバイオマス発電など新エネルギーの事業計画の策定や技術的なサポートを始めており、この枠組みを活用する。
未利用の水力発電については、08年度に経済産業省が発電に必要な水量と落差があるダムや堰堤など既存施設の発電包蔵水力を調査。本道では全国の3分の1に相当する47万麭㍗時の電力量を新たな発電施設の設置で供給できることが判明している。
内訳は利水放流が6カ所、34万3109㌔㍗時、農業用水が55カ所、9万8160㌔㍗時で、これらで全体の9割以上を占る。
開発が可能な水力発電はダム利用が90カ所、発電出力9万5766㌔㍗、上下水道の水路利用が21カ所、1810㌔㍗。
地域別に見ると、忠別ダムや多数の農業用ダムを抱える上川が全道の半分を占めるほか、空知も3割の未利用電力量を包蔵している。
道企業局ではこれらの調査結果を基に、道内の未利用落差発電包蔵水力発電マップを作製。市町村などに周知している。
小規模水力発電は、出力500㌔㍗級の発電施設で10億円程度の初期投資が必要となるが、新エネルギー・産業技術総合開発機構から事業費の2分の1以内で補助が得られる。
国は環境負荷が少なく、純国産エネルギーの水力発電に注目しており、中小河川や農業用水路の落差を利用した小規模水力発電の可能性を探っている。すでに本州では農業用水を利用した500㌔㍗級の発電施設が稼働している。
道企業局では「エネルギーの地産地消を通じて地域の活性化につなげたい」と期待を寄せる。
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