2011年2月4日金曜日

古代ローマ人の知恵にならって水力発電

-----businessweek、2011/01/20

------小水力発電ニュース------


※businessweekの記事を翻訳(管理人による翻訳ですので、ご了承ください)

古代ローマ人は、市の公衆浴場や噴水に水を運ぶのに水圧力を使用していました。現代のローマ人であるフラビオとヴァレリオAndreoliさんは、クリーンな電力を生み出すためにそれを利用しています。再生可能エネルギーの優遇措置の支えもあり、彼らの会社、Hydrowatt社は、水道内水車発電を専門にしている。「どんな廃棄物も出さずに、私たちはエネルギーを使用することができる」と、身長約190cmの体を折り曲げながら地下の発電所へ向かいながら、フラビオ氏は言う。(下の写真:Flavio Andreoli氏)



ここは、イタリア中部の丘に位置し、ローマから150マイル北東にある。この地下室は年間200万kWh発電できる「アスコリ水道」発電設備だ。 Hydrowatt社は、年間あたり約30,000世帯の電力にあたる約6000万kWhの電力を生産している。Hydrowatt社は、中央及び北部イタリアを巡る水道に、40箇所の発電所を持ち、イタリアで最大の水道発電会社だ。
古代ローマは、「Regina Aquarum(水の女王)」として知られていた。それは、古代ローマの技術者たちが都市の噴水や水車を回すのに水を活用する技術を持っていたからだ。技術者たちは重力と圧力を利用して、水を高所に汲み上げることができた。二千年前のローマ人に毎日一人あたり250ガロンもの水を供給していた。ローマ市内の11の古代水道紀元前312年に建設され、ローマの水道技術は、北アフリカ、イングランドでも見ることができる。

Andreoli兄弟は、古代ローマの水道と同じルートにある現在の水道に設置する。古代の技術者が多くの土地を調査し水をローマに到達させるために必要な圧力を提供する高所を探したように、Hydrowatt社の技術者たちは、山腹から早いスピードで流れこんでくるために生じる過剰な圧力を減圧するための減圧弁がある場所を探し出す。このような場所を特定すると、兄弟は水道を管理している地方自治体に減圧弁をHydrowatt社の水車に交換することを持ちかける。「減圧したが別の問題が起こる可能性があることが分かり、私たちは、エネルギーを生み出す水車と減圧弁を置き換えた」と、Andreoliさんは言う。 「このアイデアから私たちは会社を設立したんです」。

ヨーロッパ全体で、2020年までに再生可能エネルギーを20%目指す動きは、イタリア政府にはインセンティブとなる財政的な計画へと動かした。いわゆるフィード・イン・タリフ(FIT)である。グリーン電力に対して、市場価格よりも高く買取ることを求めるものである。Europe's Energy Portalによると、イタリアの水力の買取価格は、1kWhあたり22ユーロセントで、フランスやスペインの約3倍であり、ドイツのほぼ2倍である。環境問題への関心から、通常の水力発電開発は、イタリアでは難しいと、ローマにあるBanca Finnat EuramericaのエネルギーアナリストTatjana Eifrig女史は言う。しかし小さい発電所は、「非常に興味深いですね。我々は、今後2年間で大きく成長すると見込んでいます」。「一度動き出せば高い生産性を生み出す事業を開始するにあたり必要となるサポートが提供されていることがインセンティブとなっています」。

Andreoli氏は、「うちの会社は小さいが収益を上げている。昨年は、約1100万ユーロ(140万ドル)収入がある」と述べる。「インセンティブによって、私たちはこの事業を始めました。しかし、現在は、そのインセンティブがなくても採算が取れています」とAndreoli氏。彼は、技術者であり生粋のローマ人だ。彼の祖父は、1950年代に市の副市長だった。この兄弟は、最近、ニューイングランドの4つの小水力発電所を購入した。これから3年間で、発電所を増やし、バイオマスや他の再生可能エネルギーへと事業を拡大し、世界的に生産を倍増させる計画だ。

Hydrowatt社の水車の価格は、1kWあたり1700〜2700ユーロであり、陸上風力発電所では、1,500〜3,000ユーロ、太陽光発電では4500ユーロである。さらに重要なのは、水力発電所は、発電のために太陽の光も厳しい風も必要とせず、常に発電できる。これは1kWあたり年間8000kWh発電できることを意味し、Andreoli氏によると、太陽光や風力発電の平均発電量の少なくとも4倍にあたる。「小水力はイタリアの水資源を利用する良い方法です」と、ローマの市場調査会社のアナリストEdoardo Liuni氏は言う。

イタリアは、電力の19%を水力発電でまかなっているおり、欧州小水力連合(ESHA)によると、小水力発電所(1万kW未満)において、EUをリードしています。 「小水力は、世界中で急速に発展していて、再生可能エネルギーの重要な一部です。」と、国際エネルギー機関のチーフエコノミストであるFatih Birol氏は言います。


Hydrowatt社のサイト:http://www.hydrowatt.it/en

動画「Romans Reinvent Aqueducts 」:http://feedroom.businessweek.com/?fr_chl=8df2f838900d12834dccfc3b382d4f30f38af94b&rf=sitemap
※二番目の動画です。

もとの記事:http://www.businessweek.com/technology/content/jan2011/tc20110120_840630.htm
Energy Lessons from Ancient Rome
An Italian startup generates electricity along aqueducts
By Alessandra Migliaccio and Flavia Rotondi