・-----東奥日報、2011/11/02
------小水力発電ニュース------
県土地改良事業団体連合会(青森市)は五所川原市の長橋ため池で小水力発電の実証事業に取り組む。水流を利用して水車を回し、発電する仕組みだが、ため池を使う発電施設は全国でも初めてという。
発電は毎時12キロワットで、稼働はかんがい期の5月から9月初めに限られる。期間中の総発電量は3万4千キロワットと一般家庭の年間使用量の7軒分にすぎない。
ただ、ため池という発電とは無縁の施設から電力を生み出し、水流という身近なエネルギーから電気を得る試みは注目に値する。もちろん二酸化炭素(CO2)の排出とは無縁だ。
東日本大震災による福島第1原発の事故をきっかけに国のエネルギー政策が見直しを迫られている。太陽光や風力、小水力など自然エネルギーの普及を目指す「再生エネルギー特別措置法」が成立し、来年7月の施行に向け、動きだした。
多様化が進み、一極集中型の電力供給から、さまざまな自然エネルギーを組み合わせた自立・分散型の発電に向かうとみられる。
小水力発電はいわばエネルギーの“地産地消”で、県外では農業用水路を活用した小水力発電が実績を上げている。自然エネルギーの中でも天候の影響を受けにくいことから、太陽光や風力と組み合わせると可能性が広がるのではないか。
ため池は県内に大小合わせて2千カ所、全国に21万カ所ある。ため池発電が軌道に乗れば小水力発電の選択肢が広がる。年度内に行われる実証実験に注目し、展開に期待したい。
つづき
http://www2.toonippo.co.jp/shasetsu/sha2011/sha20111102.html