2012年1月6日金曜日

比良の渓流/秘める力/小水力発電 滋賀

-----Asahi.com、2012/01/06

------小水力発電ニュース------
【グリーン革命湖の国から5/「地産地消」ふくらむ夢】
   箱館山を抱く高島市今津町の日置前地区では、標高475メートルの場所にあるため池から田んぼに水を引く農業用水路が集落内を縦横に走る。昨夏、住民たちが近くの山のふもとでこの水路を使った「小水力発電」の実験をした。

   秒速20メートルの流れを受け、直径1メートルの軽金属製の水車が軽やかに回ると、発電機とつながった電飾に光がともった。リーダー役の前川博彦さん(58)は「ようやく一歩、前に踏み出せた」と笑みを浮かべた。

   ダムのような大規模な設備を使わず、身近な川や水路の流れからエネルギーを生み出す小水力発電。きっかけは数年前の事件だった。地元の女子中学生が下校中に不審な男に連れ去られそうになり、PTA会長の経験もある前川さんは「通学路をもっと明るくしたい」と思った。だが、防犯灯を設置しても電気代の問題がある。そこで、水路を使った発電に取り組むことにした。

   ただ、今回の実験装置で発電できる電力は白熱電球1個分の60ワットほど。水車を二つ並べた改良型も実験する予定だが、それでも発電量は3倍程度の見込みで、発電機の能力向上が大きな課題となった。

   そうした中で昨年、前川さんたちの取り組みを後押しする発明があった。草津市の元大工、平松敬司さん(73)と京都大大学院工学研究科の中村武恒准教授が開発した「平松式発電機」は、発電機内の磁石を絶妙な位置に配置して磁力による抵抗を極限まで減らすことで、効率的な発電を実現。1台で1世帯分の電力を賄える計算だという。2人は前川さんたちの要請に応え、今春以降に現地で発電機の実験をする予定だ。

   前川さんは、小水力発電による電気を防犯灯のほか水門の自動開閉装置に使ったり、各家庭に配ったりすることを夢見る。「研究を進め、高島を県内で最も普及が進んだ地にしたい」
      ◇
7年前から小水力発電の実験に取り組む、大津市のびわこ成蹊スポーツ大の青木豊明教授(環境科学)は「小水力発電は日本に最も適した自然エネルギー」と言い切る・・・

つづき
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001201060003