・-----管理人、2012/02/02
------小水力発電ニュース------
2012年は毎月ごとにその月の小水力発電に関わるニュースを振り返ってみようと思います。(思いつきです。いつまで続くかは不明)
2012年1月を振り返って
●滋賀での動き 目立つ
11年年末から滋賀での動きが目立つ。来年度から事業化に向けた全県での調査を始める(「小水力発電本格調査へ 再生エネ事業化を模索/滋賀」)。また、昨年も取り上げられていた、 びわこ成蹊スポーツ大の青木豊明教授の取り組みや 草津市の元大工、平松敬司さんと京都大大学院工学研究科の中村武恒准教授が開発した「平松式発電機」がまた取り上げられている。今まで県レベルでの動きがなかっただけに、 県レベル地元レベルでの動きが出てくれば大きな流れへとつながっていくかもしれない。
滋賀以外にも、佐賀や静岡でも調査、協議会の設立などの動きが出てきている。今後の動向が楽しみである。
●マイクロ水力の発明 乱立?
滋賀での二つの取り組みに加えて、山形県鶴岡高専の「鶴岡方式」水車、 独自の小型水力発電装置を作っている電機設備機器製造業の倉沢久人さん、 群馬高専と企業の連携、名古屋大に設置された水車、広島三次市の実証実験、富山県立大と県土連のゴミ除去なしの水車、 兵庫県多可町の農業用水路の水車などの取り組みが報道されている。また、ミゾタや中山鉄工所、などの開発もある。
こういったローカルな製造業者が活躍することは地域活性化という点で大きな意義がある。小水力の魅力は地域の鉄工所や電気屋、土木業者が関われるところだ。だが、水力は18世紀から世界的に使用されているいわゆる「使い古された技術」であり、ローテクである。200年の間に効率的な水車設計はほぼ尽くされているといってよく、あまり水車の開発(発明)が乱立するのは・・・という印象を受ける。
水車効率の改善よりも、着目してほしいのは、設置工事や発電・電気関連機器などのコスト低下である。富山県立大や群馬高専のゴミ対策などの工夫も必要だ。
もっと必要なのは技術者である。今後地域で小水力発電所が普及すれば、建設・管理などを手がける技術者が必要になる。そういった人材育成が急務といってもいい。いまや、ローテクの技術者は絶滅危惧種と言われてるほどであり、大学や高専がこの使い古された水車、水力土木を担う技術者をぜひ育てていってほしい。
2012年1月のニュース