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初の国産化となる田中水力の ターゴ水車の羽根部分=神奈川県座間市の 同社本社工場 |
小規模の水力発電に使われるマイクロ水車の専業メーカー、田中水力(神奈川県座間市)は、製品群の強化に乗り出す。 「ターゴ水車」と呼ばれる高出力の1000キロワット級水車の国産化に初めて踏み切る一方、九州工業大学と共同でマイクロ水力発電よりもさらに小型の数十 キロワット以下のピコ水力発電の開発に着手した。
マイクロ水力発電は明確な定義はないが、1000キロワット以下の小規模の水力発電のこ とを指す。田中水力は今回のラインアップ強化で、マイクロ水力発電のほぼ全領域をカバーでき、国内だけでなく、海外輸出を視野に販売増加を目指す。 2011年3月期の売上高は6億円超だったが、2012年3月期は約1.5倍の9億円超を見込んでいる。同社は水力発電プラントの保守点検を手がける田中水力機械製作所から2005年に分離独立して設立された。
フランシス水車、クロスフロー水車、ペルトン水車などさまざまなタイプの水車を手がけている。
初の国産化を決めたターゴ水車は、流水をノズルから噴射させ、ランナと呼ばれる水車の羽根車の斜め側面から当てて回転させる衝撃水車の一種。1000キロワットの出力が得られ、低流量でも効率低下が少なく、構造が簡単でメンテナンスが容易といった特徴がある。
田中水力は、砂防ダムから流れ出る流路に使われるターゴ水車をこのほど受注し、発電機を組み合わせて出荷する。来年中に稼働する予定。ターゴ水車は海外メーカー品が一部で採用された例はあるが、国産化は初めてという。現在、本社工場で製作に取りかかっている。
(小熊敦郎)つづき
http://www.sankeibiz.jp/business/news/110725/bsl1107250503007-n2.htm