2013年4月12日金曜日

砂防施設使った小水力発電 「飯島第2」で最大出力 長野

・-----長野日報、2013/03/29

------小水力発電ニュース------
 国土交通省天竜川上流河川事務所は28日、管内の砂防施設を使った小水力発電の可能性調査の結果を公表した。同事務所が管理する砂防堰堤(えんてい)など147施設について、発電施設を設置した場合の最大出力と建設単価を算出。上伊那地方では飯島町の与田切川にある「飯島第2砂防えん堤」で副堤下流放流を使った場合に、最大出力380.6キロワットを確保できると試算した。
 「飯島第2砂防えん堤」は有効落差が20メートル以上ある上に流量も多く、年間発生可能電力量は1911メガワット時が見込めると試算。1キロワット時の電力を得るのに必要な建設費用(建設単価)は開発判断の目安とされる250円を下回る186円となった。同堰堤の下流にある「飯島砂防えん堤」も有望で、最大出力は376.4キロワット、建設単価は164円と計算された。
 東日本大震災を契機に自然エネルギーが見直される中で、同事務所が2011年度から独自に取り組んだ調査。構造上の適否を判断材料から外しているほか、包蔵水量などは計算値で、送電線費用を一律500メートル分で見積もるなど、「あくまでも目安」(同事務所砂防調査課)だが、関係自治体が砂防施設の落差を利用して小水力発電を検討する場合の参考値として結果を公表した。
 調査対象となった砂防施設は三峰川水系を抱える伊那市では45カ所と多かったが、計算上採算が取れる水準の堰堤は数えるほどだった。同課の担当者は「買い取り価格や発電機の設置コストが変わってくれば将来的に可能性も出てくる。伊那谷の財産の一つになると思う」と話している。

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