2010年3月16日火曜日

小水力発電検討へ 松本市、牛伏寺砂防ダム利用・長野

小水力発電検討へ 松本市、牛伏寺砂防ダム利用・長野-----中日新聞、3/16




小水力発電検討へ 松本市、牛伏寺砂防ダム利用

 松本市は15日、牛伏寺砂防ダム(同市内田)の農業用水を利用した小水力発電の本格的な検討に入ることを明らかにした。ダムから約2・4キロ離れた明善小学校と明善中学校に送電し、両校の使用電力量の6割を賄おうという計画。実現すれば二酸化炭素(CO2)排出抑制や環境教育に効果があるが、多額の費用がかかり、地元合意も必要なことから、市は計画の可否について慎重に議論を重ねる考え。

 経済産業省が行っている地方自治体による小水力発電所開発計画の調査地点として、昨年度同ダムが採択。実現性について調べていた。

 調査結果によると、ダムは最大毎秒0・2立方メートルの取水が可能と推測。えん堤直下に水力発電施設を設置することで、最大出力36キロワット、年間約18万5000キロワット時の発電が可能という。

 電力は、平日昼間は同小中学校に供給され、夜間と土、休日などは余剰電力として売電する。事業による年間CO2排出削減効果は約101トンで、一般家庭18世帯の排出量に相当するという。

 建設費としては7780万円を想定。うち補助を除いた市の負担は、半額の3890万円。発電による電気代の削減額、売電額は年間計215万円で、維持費を勘案しても、建設後32年で採算が合う計算という。

 ただ、建設費に地質調査費や実施設計費などは入っておらず、市の見込みで3000万円程度の追加負担が必要。景観上の観点などから地元関係者への配慮も必要で、市は今夏ごろをめどに、方向性を出したい考えだ。 

 (坪井千隼)


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