2011年6月27日月曜日

新エネ探訪:栃木の現場から/3 「那須疎水」発電、採算取れた /栃木

-----毎日jp、2011/06/23

------小水力発電ニュース------

◇試行錯誤重ね導入

百村第二発電所
小水力発電データベースより
風に揺られた稲穂の脇を絶え間なく流れる那須塩原市百村(もむら)の農業用水「那須疎水」。空色の巨大な金属製装置が目を引く。「ここを通る人は まさか、これが発電所だとは思わないでしょうね」。高さ2メートルほどの段差で流れ落ちる水を見つめ、水路を管理する「那須野ケ原土地改良区連合」の担当 技師、吉澤繁樹さん(40)が笑った。だが、落ちる水の勢いでタービンを回す、最大出力30キロワットのれっきとした「百村発電所」だ。
那須疎水は総延長330キロ。大田原市まで広がる扇状地「那須野ケ原」を網の目のように走る。同連合は小水力発電の動力源としての無尽蔵の可能性に着目し、92年から市内に発電所を設置。今は5カ所7基に上る。
総出力は約1000キロワット。水門の開閉や揚水ポンプなどに利用し、電気代ベースで全使用分を賄っている。耕作面積10アール当たり年4000円ほどだった水路維持のための賦課金は約1500円安くなり、農家1軒当たり年平均3万円の負担減につながっている。
◇  ◇
1基目は同市戸田の那須野ケ原発電所(出力340キロワット)。当初は導入に消極的な農家も多く、「元が取れると確信するまで、家計簿並みの細か い計算で詰めました」と連合の星野恵美子事務局長は振り返る。相場が1キロワット当たり8~10円と、極めて安い小水力の売電価格でも採算が合うよう、使 える補助・助成制度をシラミつぶしにした。発電機のトラブルやメンテナンスにかかる人件費を抑えるため、水路にゴミがたまりにくい除塵(じょじん)スク リーンの改良を重ねた。試行錯誤の連続だった。

つづき
http://mainichi.jp/area/tochigi/news/20110623ddlk09020209000c.html